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Re:マック・ア・ルインについて きよ 【2009/03/01 17:23:23】
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[編集][削除] スレが途切れたまんまおっぽりだしていて申し訳ありませんでした。あまり作業は進んでいませんが、ネット上では近頃アイルランドの伝承の電子テキストが増えてきた感じがします(Macalister 編『侵寇の書』など)。
『オシァン』というのは、どうにも厄介な資料ですね。1)岩波文庫版では正真正銘スコットランドに古来つたわる古歌だと言い張っていますが、一般的には大部分ジェームス・マクファーソンによる創作(悪く言えば捏造)だったというのが定論ですし、2)オシァンやその父フィンガルをスコットランドの王(本拠=セルマ)とし、アイルランドのフィアナ伝説群(本拠=Almu=アレンの丘)の設定と反するのもくせ者です。
話をJ. F. Campbell が『Popular Tales ..III』に収録した『鍛冶場の詩 1』(Song of the Smithy 1)に戻しますが、まず第1節でフィアナの4勇士のことを
1)Myself, and 2)Bound, and 3)Grey Earth,
4) Fair's self was there, he was Bondage's son"
「1)私自身と2)跳躍と3)灰色土
4)束縛の息子、美自身もそこに」
と意訳名で呼ばれていますが、尋常に訳せば
「1)私自身(オシァン)、2)オスカルと
3)ドゥルグラス(キールタ・マック・ロナンのこと)
それに4)フィン・マックールその人も」
のことです。
第20節では「私自身」ことオシァンの剣は、
"Ceard nan gallan" ケルド・ナン・ガッラン[?]
"the Tinker of striplings"「若僧の工芸品」英名(意訳名)とあります。
また『鍛冶場の詩 1』については、ほんの微妙に違うバージョンが、Gillies (1786年)によって出版されており、その異本ではオシァンの剣名は
"Deire nan Colg" デーレ・ナン・コルグ[?]、
"the end of anger"「憤怒の終焉(結末、結果)」
だとしています。キャンベルが、その当時でもこれは非常にレア本といっていますが、じつは Gillies 本はスコットランド国立図書館が提供してデジタル化されたものがネット公開されています(www.archive.org/details/seandainagusorai00gil "Ceardach Mhic Luin=ルーンの息子の工房" pp.234-6)。
ところが別バージョン M'Callum 本(1816年) が、皮肉にもネット上にありません。
英語のみ版(books.google.co.jp/books?id=HfwFAAAAQAAJ)(www.archive.org/details/originalcollecti00mcal)は
あるのですが、そこには肝心の詩は見つかりませんでした。実はこの本には同1816年発行のゲール語付き版というものがあり、キャンベルの時代にはかなり出回っていたらしいのです。現在は、小さな版元(www.gaelicbooks.com/traditional.html)からBàrdachd na Féinneという題で復刻されているようです。
なお19節には、なんだか所有者不明の固有名剣が挙げられますが、キャンベルが脚注に引用するM'Callumバージョンの1節や『鍛冶場の詩 2』等ではフィアナの他の勇士らの名に連なる剣名が登場することはお気づきかと思います。
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